タクシーで嘔吐ゲロした時の賠償・迷惑料・クリーニング代は?逃げちゃう?

皆さんも飲み会などに参加する機会もあるかと思いますが、気心の知れた友人らとの飲み会ならまだしも、なれないメンバーに囲まれて会話も弾まずに、つい飲み過ぎてしまうこともあるかと思います。

そして、泥酔してしまって、一人では帰れず、同僚が呼んだタクシーに詰め込まれ送られたものの、耐えきれずに社内で嘔吐してしまう、なんてこともあるかもしれません。

そのようなトラブルが生じたら、汚した乗客は、車内の清掃代を弁償しなければならないのでしょうか。

また、タクシーが営業できない間の費用を弁償する必要があるのでしょうか。

今回は、タクシーの車内を汚してしまった際のトラベルについてご紹介したいと思います。

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 タクシー運転手と乗客が結んでいる契約とは?

日常的にタクシーを利用する際には意識していませんが、実は乗るだけで乗客はタクシーと契約を結んでいるのです。

これを「旅客運送契約」と言い、乗車して目的地を伝え、運転手がそれを承諾すると成立します。

運転手の義務は、道路状況に基づき、できる限り最善のルートを選び、安全に乗客を目的地まで運送する義務が発生します。

乗客は善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)に基づいて、タクシーの座席に乗車し、タクシーを降りる時に規定の運賃を支払う義務が発生します。

難しい言い回しですが、タクシーに乗車したら、このような義務が乗客に生じるということなのです。

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タクシーの車内を汚すと契約違反!

旅客運送契約に照らすと、タクシーの車内を汚せば、乗客の善管注意義務違反が問われます。

泥酔したままタクシーに乗れば、嘔吐する可能性があるのに、エチケット袋などの用意もしないのは、乗客の責任と言わざるを得ません。

運転手(タクシー会社)が損害を受けたのですから、乗客に対して損害請求できる権利が発生します。

ちなみに嘔吐に限った話ではなく、例えば弁当をひっくり返してしまった、不潔な荷物で社内を汚した、危険物を持ち込んで車内に傷をつけた、などといった実害を運転手(タクシー会社)が受けた場合にも当てはまります。

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汚してしまったら清掃代はいくらかかる?

このように契約として定められているので、清掃代を請求されれば、支払いはやむを得ません。

では具体的にいくらなのでしょうか。

あくまでも目安で、汚れ方やタクシー業者にもよりますが、後部座席のみの清掃であれば、1万円~3万円くらいです。

もともとタクシーには事前の対策として、エチケット袋などもあらかじめ準備しているので、運転手が機転を利かせて、トラブルを未然に防ぐケースもあります。

また、タクシーの後部座席は水分をはじくシートカバーが用いられており、一般の乗用車よりは汚れの程度が深刻にならないよう施されています。

実際の清掃は運転手自身が行うことが多いようですが、外部の業者に依頼して清掃を行う場合もあります。

タクシー運転手から迷惑料を求められたら

清掃代とは別に、運転手から「迷惑料」を求められた場合は、どうしたらよいのでしょうか。

反省の気持ちからお金をいくらか包むことはあるかもしれません。

ただし乗客側の心の問題であり、迷惑料を払わなければならないという法律はありません。

運転手から迷惑料を強く求められ、その要求に理不尽さを感じたのであれば、断っても法的には問題はないです。

タクシー運転手は乗車を拒否できるのか?

一方で被害者である運転手には問題はないのでしょうか。

泥酔客だと分かっていたのだから、最初から乗車させなければ良かったのではないかとも思えます。

ところが、タクシーの運転手は原則的に調査拒否ができません。

自動車を用いた事業について定めた法律(道路運送法13条)でしっかり定められているのです。

道路運送法の定めはあくまで原則であり、正当な理由があれば拒否も可能です。

正当な理由に当てはまるケースはいくつかありますが、その中には泥酔者も含まれています。

トラブルが生じる危険を運転手が感じたら、泥酔者の利用は拒否できるのです。

しかし、現実的には運転手が乗車拒否をするのは厳しいようです。

法律の上では確かに定められていますが、本当にトラブルを起こす客かどうかの見極めは難しいです。

タクシーは、信用で成り立つ商売でもあり、乗車拒否は売上にも影響します。

運転手にとって泥酔者の扱いは苦慮している、というのが本音かもしれません。

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最後に

いかがでしたでしょうか。

タクシーを汚してしまっては、運転手は仕事になりませんし、運行できない時間の売り上げは発生しないのです。

本来なら乗客が注意していれば未然に防げるトラブルです。

運転手にとっても、乗客にとっても、気分も良いものでは決してありません。

そのため、周りに迷惑をかけないよう、酒とは上手に付き合いましょう。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

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