日本車がツラウチの理由:なぜ国産車はタイヤが車体の内側に引っ込んでいる?

日本の車やアメリカの車は、一般的にタイヤがホイールアーチの中に引っ込んでいることが多いです。

車好きには、この様ないわゆる「ツラウチ」の状態をカッコ悪いと感じる人が多く、タイヤができるだけボディの外側にくるように、カスタムを楽しんでいる方も多くいます。

しかし、そもそもどうして日本車のタイヤは、フェンダーの内側に引っ込んでついているのでしょうか。

今回は、日本車のタイヤ位置が、何故フェンダーの内側になっている謎について説明して行きたいと思います。

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日本車はフェンダーの内側にタイヤが配置されている

現在は、日本車の純正タイヤのデザイン性は高くなってきています。

しかし、実際にタイヤを装着すると、ホイールがフェンダーの内側に大きく引っ込んで見た目が今ひとつです。

そのため、社外品のホイールに変える方がベターだと考えるオーナーは多くなります。

ホイールがフェンダーと同じ位置にきた状態、いわゆる「ツライチ」にしたい場合には、ワイドトレッドスペーサーというパーツを使います。

ワイドトレッドスペーサーは、車体とホイールの間に挟み、タイヤの位置がボディの外側にくるようにずらして装着します。

ワイドトレッドスペーサーを使いたくないという人は、オフセットが異なるホイールに交換する方法もあります。

しかし、日本車はどうしてそこまで、内側にタイヤを配置しなければならないのでしょうか。

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日本車が「ツラウチ」状態な理由

日本車が極端な「ツラウチ」状態になっているのは、日本の気象事情が影響しています。

それは、雪が積もった時に、タイヤチェーンを装着することを前提に設計されているためです。

タイヤにチェーンを装着する際、フェンダーに干渉しないよう、あらかじめタイヤを内側に配置しています。

「ツライチ」のデメリット

見た目が格段に良くなる「ツライチ」ですが、デメリットも存在します。

「ツライチ」のデメリット

「ツライチ」の状態で運転すると、タイヤからはねた泥や砂が車に飛びやすくなり、傷や汚れを気にしながら走行する必要があります。

また、道路の縁石などにホイールを擦りやすくなるため注意が必要です。

他にも、ハンドルをいっぱいに切った際、タイヤがフェンダーの内側にあたってしまい、ハンドルがいっぱいまで着れなくる事もあります。

大きな段差を越えた時、サスペンションが大きく沈み込んだときなどは、タイヤが フェンダーの内側に干渉してパンクしてしまう危険性もあります。

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欧州車との違い

ベンツなどの欧州車には、限りなくツライチに近いセッティングが採用されているモデルもあります。

日本では、メーカーがチェーン干渉の内規を設けていますが、このあたりの事情が欧州車の場合は違うようです。

日本車も、車検適合内であれば、欧州車と変わらないオフセットで販売できるはずです。

しかし、日本特有のメーカー事象などが欧州車とは大きく違うようです。

最近では、タイヤチェーンが装着不可の車も多くなっています。

雪道では、チェーン装着は安全のために必須ですが、これによってデザインに制約ができてしまうことを嘆くクルマファンは多いようです。

そのため、雪の少ない地域に関しては、オフセットを見直してもいいのではという意見も多く出ている状況です。

欧州の雪国では、スタッドレスタイヤを使用するため、チェーンを装着して走行するというのは、レアなケースになります。

日本のオフセット問題

チェーンだけじゃない、日本のオフセット問題。

日本車のタイヤとフェンダーの隙間が大きく開いているのは、保安基準が戦後からあまり変わっていないことにも原因があります。

保安基準が設けられた当時の国内は、道路の舗装が十分ではなくデコボコな道が大半でした。

そんな悪路に対応するためには、サスペンションの上下運動率を高くすることが望ましいと考えられたのです。

現在は道路も綺麗に舗装された道路が殆どで、舗装されていない道路のほうが少ないくらいです。

そのため、このような基準は時代にそぐわないとも言えます。

それでも最近の日本車は、タイヤとホイールアーチの隙間はかなり狭くなってきているとは思い ます。

自動車メーカーの方でも改善したいという思いはあるのかもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか。

外観のスタイリッシュにこだわるクルマファンには「ツラウチ」状態の日本車は不評のようです。

ただ「ツライチ」の車にもデメリットがあります。

チェーンを使用することも多い日本の現状では、今すぐに変わることは難しいのかもしれません。

最後まで読んでいただき誠に有難うございました。

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