ガソリンを給油するなら「1円でも安いガソリンスタンドで」と、価格を比較しながらガソリンスタンドを探した経験はどなたにでもあるでしょう。
そんなガソリンスタンドの中に「PB(プライベート)ガソリンスタンド」や「無印ガソリンスタンド」と呼ばれているガソリンスタンドの存在をご存知でしょうか。
「PBスタンド」「無印スタンド」は「丸紅」「コストコ」など石油会社の看板ではないため、「確かに安いけれども大丈夫か!?」と心配になってしまう方も居るかと思います。
今回は、そんな「格安ガソリンスタンド」の実態について説明していきたいと思います。
「格安ガソリンスタンド」のガソリンが、何故石油販売会社の「ENEOS」や「シェル」よりも安くガソリンを販売する事が可能なのか分かります。
「格安ガソリンスタンド」とは何ぞや
ガソリンスタンドを経営している会社は多数ありますが、ガソリンの価格に注目してみると2種類に分けられます。
元売り系ガソリンスタンド
元売り系ガソリンスタンドとは、元売りの石油会社のマークを掲げているガソリンスタンドを指します。
- ENEOS
- 出光
- シェル
- コスモ
上記が元売り系ガソリンスタンドの代表各となります。
運転中にガソリンスタンドを探すと、かならずこれらのガソリンスタンドのマークを目にするかと思います。
「PB(プライベート)ガソリンスタンド」「無印ガソリンスタンド」
「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」とは、石油会社以外の独自のマークを掲げている ガソリンスタンドを指します。
「丸紅」などの商社や「イオン」「JA」といったマークのガソリンスタンドを見たことがないでしょうか。
元売り系ガソリンスタンドと比較すると、価格が安いのが「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」の特徴です。
また、「コストコ」にあるガソリンスタンドも含まれます。
「格安ガソリンスタンド」のガソリンの品質が心配なんだが
ドライバーの立場からすれば、ガソリンは安いに越したことはないのですが、やはり気になるはガソリン自体の品質ではないでしょうか。
安さを求めているはずなのに「安すぎるとかえって怪しい」「ガソリンを何かで薄めているんじゃないのか!?」などと疑い始めるのが人間です。
そして、格安ガソリンスタンドで給油したら「燃費が悪くなった」「エンジンの調子が悪くなった」なんて噂を耳にした人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際はそんな心配する事は必要なく、何の問題もありませんので大丈夫です。
何故なら、格安スタンドの仕入れているガソリンのほとんどが、元売りの石油会社が精製しているガソリンだからです。
格安ガソリンスタンドで販売されているガソリンは、「ENEOS」や「シェル」で販売されているガソリンとまったく同じなので、品質に問題はありません。
複数の元売り会社のガソリンが混じってるけど大丈夫?
格安スタンドのガソリンが安い理由は、ガソリンそのものの仕入れ価格が安いから、販売価格も安く提供できるのです。
格安スタンドは、なるべく安く売って利益を得るために、価格の低い事業者からガソリンを仕入れています。
また、ガソリン価格を安く販売するため、輸入品のガソリンも仕入れています。
格安スタンドが販売するガソリンは、様々な元売り会社から仕入れたガソリンが混じっている為、不安に感じる人もいるかもしれません。
しかし、ガソリンスタンドで給油する際の事を考えてみると、不安に感じる必要が無いことがわかります。
多くのドライバーは、給油する際、燃料タンクに少し残っている古いガソリンに、新しいガソリンを加えているわけです。
すなわち、すでに燃料タンクには、いろいろな石油元売り会社のガソリンが混ざってい事になるからです。
しかも、 「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」は原則的に「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」に基づいて、10日に一度の品質検査が義務づけられています。
分析の結果、規格通りではないガソリンと判断されると「業務停止命令」を含む処分を受けてしまうので、ガソリンスタンドの経営者にとっては大きなマイナスになってしまいます。
そのため、「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」はいくら価格を安くしたいからといって、粗悪なガソリンを売るような心配はありません。
ちなみにも元売り直系店舗や石油元売り系では、元売りが保証しているという理由で一年に一回の検査でいいそうです。
元売り系よりも、「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」の方が検査間隔が短いので、逆に品質が高いかもしれませんね。
「格安ガソリンスタンド」のガソリンが安い理由
安さの理由①「余ったガソリン」
ガソリンが余る理由はその生成方にあります。
原油からガソリンをつくる際には、同時に「灯油」や「軽油」なども生産されます。
そのため、「灯油」のニーズが高まったとしても灯油だけを作ることができず、一緒に生産さ れるガソリンが余る結果になってしまうのです。
ガソリンは劣化がしやすいため、元売り会社はガソリンが余ってしまった場合は多少は儲けが減っても、安く転売することで利益を確保しようとします。
例えるなら、格安スタンドで売られているガソリンは、元売り会社が作ったアウトレット商品という事になります。
安さの理由②「ブランド料金」
元売型ガソリンスタンドで売られているガソリンには、契約しているも元売り石油会社のブランド 料が上乗せされています。
大手である石油会社のマークを掲げていれば、店舗の「ブランドイメージ」を高め顧客に安心感を与えられます。
マークを使うブランド量は、1リットルあたり約2円から3円とのことです。
しかし、格安ガソリンスタンドの場合は、ブランド料の上乗せがありませんので、その分だけ販売価格を安くできるのです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
近年は運転免許を持つ人の数も減っています。
そして、クルマそのものの燃費が向上したこともあり、ガソリンの需要も減少傾向にあります。
ガソリンスタンド業界全体で見ると、元売り系ガソリンスタンドの閉店が増えている中、格安ガソリンスタンドは年々存在感が大きくなり、業界に占める割合も高くなっています。
消費者としては、「安く」そして「品質には問題ない」ガソリンを提供してくれる「PB(プライベート)ガソリンスタンド」及び「無印ガソリンスタンド」を賢く利用したいですね。
最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。
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