家族に、運転を続けている高齢の方はいませんか。「そろそろ運転をやめてほしい」と思っても、切り出しにくいものです。そんなとき、運転免許の自主返納という選択肢があります。
この記事では、免許を自主返納したときの手続き、運転経歴証明書、返納後に受けられる支援や特典、そして家族で話し合うときのポイントを整理します。支援の内容は、自治体や企業によって大きく異なります。
結論:返納後も、身分証明書として使える「運転経歴証明書」を申請できる
免許を自主返納すると、免許証は使えなくなります。しかし、運転経歴証明書を申請すれば、公的な身分証明書として使えます。申請の期限は、多くの都道府県で、返納から5年以内とされています。

運転経歴証明書とは
運転免許証を返納した人が、過去の運転経歴を証明するために申請する書類です。
- 本人確認:役所や銀行、郵便局などでの手続きで、運転免許証と同じように、本人確認書類として使える
- 有効期限がない:一度交付されれば、更新の手続きは必要ない(生涯、使える)
- 特典の提示:自治体や協力企業の割引や支援を受ける際に、提示する
申請の方法と費用
申請先や手数料は、都道府県によって異なります。

- 手数料の例:1,000円〜1,150円程度(都道府県による。郵送の場合は、別途費用がかかる場合がある)
- 申請場所:運転免許センターや、警察署(都道府県による。交番では受け付けない場合が多い)
- 必要なもの:返納と同時に申請するときは運転免許証、返納後に申請するときは別の本人確認書類。写真が必要な場合もある
- マイナンバーカードを使う「マイナ経歴証明書」を導入している県もあります
詳細は、お住まいの都道府県警察の案内で確認してください。
返納後に受けられる支援・特典
自主返納した人に対して、自治体や企業が、さまざまな支援を行っています。内容は、地域によって大きく異なります。
- 交通系:バスやタクシーの割引券・利用券の交付、公共交通の運賃割引など
- お買い物系:協力店での割引、宅配サービスの優遇など
- その他:携帯電話料金の割引、引っ越しや各種サービスの割引など
たとえば、一部の自治体では、バス乗車券やタクシーチケットを配布する支援事業があります。特典の有無や内容は、自治体の窓口やウェブサイトで確認してください。
家族で話し合うときのポイント
1. 責めずに、心配する気持ちを伝える:「危ないからやめて」ではなく、「事故に遭ってほしくない」と伝える
2. 運転以外の移動手段を、一緒に考える:バス、タクシー、家族の送迎、宅配サービスなど
3. 自治体の支援を、一緒に調べる
4. 運転に不安を感じた場面を、具体的に話す:ぶつけた、道に迷った、など
5. すぐに結論を出さなくてよい:まずは、運転の頻度を減らすことから始める方法もある
6. 運転の適性を確かめる:高齢者講習や、認知機能検査の結果も、話し合いの材料になる
返納を迷っている人のために
- 夜間や、雨の日だけ運転しない:条件を限定して、使い方を変える
- サポカー(安全運転支援機能付きの車)への乗り換え:踏み間違い防止などの機能を活用する
- 免許更新時の、認知機能検査や、運転技能検査の結果を見直す
返納は、運転をやめる決断です。無理に急がず、本人が納得できる形で進めることが大切です。
よくある質問
Q. 返納した免許を、取り戻すことはできますか?
返納した免許は、取り戻せません。再び運転するには、新たに免許を取得する必要があります(一部の免除制度があるかは、都道府県警察に確認してください)。

Q. 運転経歴証明書の申請を、返納から5年以上経ってからでもできますか?
多くの都道府県では、返納から5年以内が期限です。期限を過ぎると、申請できない場合があります。
Q. 家族が代理で、返納の手続きをできますか?
返納の手続きは、原則として、本人が行うことになっています。代理が可能かどうかは、都道府県警察に確認してください。
高齢の家族の、移動を支える工夫
免許を返納したあとも、暮らしの移動手段を、確保することが大切です。
- バス・電車・タクシーの、割引や、定期券:自治体の制度を、確認する
- デマンド交通(予約制の乗合バスなど):地域によっては、利用できる
- 宅配や、買い物の、サポートサービス
- 家族や、近所の人との、助け合い
- 電動アシスト自転車・シニアカー:安全に配慮して、選ぶ
返納の前に、代わりの移動手段を、一緒に試してみると、不安が減ります。地域包括支援センターや、市区町村の窓口に、相談できる場合もあります。
まとめ
- 免許を返納しても、運転経歴証明書で、身分証明書として使える
- 申請の期限は、多くの都道府県で、返納から5年以内
- 返納後の特典は、自治体や企業で異なる。窓口で確認する
- 家族で、責めずに、代わりの移動手段を考えながら話し合う


情報源
- 各都道府県警察の「運転経歴証明書」の申請案内(大阪府警、福島県警、栃木県警、秋田県警など)、各自治体の運転免許自主返納支援事業の案内
- 手数料・申請方法・特典は、地域や時期によって異なります。2026年10月時点で確認した情報に基づきます。


コメント