ゴールデンウィークやお盆、年末年始に、高速バスや夜行バスで旅行する人は多いはずです。電車や飛行機より安く、移動できるのが魅力です。
一方で、過去に重大な事故もありました。この記事では、高速バス・夜行バスの事故の事例と、運転手の労働時間の決まり、そして利用者が安全に乗るためのポイントを整理します。バスは、決まりを守って運行されていれば、安全な移動手段です。必要以上に怖がらず、確認できることを確認する姿勢が大切です。
結論:事故の多くは「居眠り・過労・無理な運行」が背景。利用者は確認できる点を確認する
過去の事故では、運転手の居眠りや疲労、運行管理の問題が指摘されています。その後、制度が見直され、運転手の労働時間の基準や、事業者の監督が強化されています。利用者は、事業者の信頼性を、事前に確認できます。

過去の主な事故
2012年 関越道の高速バス事故
2012年4月、群馬県の関越自動車道で、乗客を乗せた高速ツアーバスが、防音壁に衝突しました。乗客45人のうち、7人が死亡し、残りの乗客も負傷しました。運転手は、「居眠り運転をしてしまった」と供述したと報じられています。
2016年 軽井沢スキーバス事故
2016年1月、長野県の国道で、大型観光バスが、ガードレールを突き破って転落しました。乗員乗客41人のうち、15人が死亡しました。バスの事故としては、過去30年で最悪の被害でした。運行会社の安全管理の不備が、大きな問題として指摘されました。
これらの事故を受けて、国は、貸切バスや高速バスの安全規制を強化しました。
運転手の労働時間の決まり
バスの運転手の労働時間は、国の基準(改善基準告示)で決められています。2024年4月から、基準が見直されました。
- 拘束時間:1か月の拘束時間は、原則として281時間以内(労使協定などで例外あり)
- 年間の拘束時間:原則として3,300時間以内
- 連続運転時間:連続して運転できる時間にも上限があり、休憩が必要
数値や例外は、改正で変わる場合があります。最新の基準は、厚生労働省の案内で確認してください。
制度の変化:ツアーバスの一本化
かつては、旅行会社が企画する高速ツアーバスと、路線バス会社の高速乗合バスが、別の仕組みで運行されていました。事故を受けて、2013年に、ツアーバスは、新しい高速乗合バスの制度に一本化されました。これにより、運行会社の責任が明確になり、安全管理が強化されています。

利用者が安全に乗るためのポイント
1. 事業者を確認する:国の許可を受けた事業者か、運輸局などの公表情報で確認する。極端に安い料金には注意する
2. 運転手の交代があるか確認する:長距離の夜行便では、交替運転者が乗務しているか、予約時に確認する
3. シートベルトを着ける:座席にいるときは、必ずシートベルトを着用する(高速バスでは、着用が義務)
4. 乗る前に、非常口の位置を確認する:緊急時に備える
5. 無理なスケジュールを避ける:乗り継ぎや到着時刻が、極端にタイトな便を避ける
6. 体調を整える:夜行便では、睡眠をとり、体調を崩さないようにする
よくある質問
Q. 夜行バスは、危険ですか?
運行基準が守られていれば、安全な移動手段です。事業者の安全管理の違いが大きいため、事業者選びが大切です。

Q. 「セーフティバス」とは何ですか?
国土交通省が、貸切バスの事業者を対象に行っている、安全性評価認定制度です。評価の高い事業者を示す仕組みで、貸切バスの選定の参考になります。
Q. 事故の際に、乗客ができることはありますか?
シートベルトの着用が、被害を軽減します。非常口の位置と、脱出の方法を、事前に確認しておきましょう。
出発前・乗車中に意識したい準備
- 座席の選び方:事故の際の安全性に決定的な差があるとは言えませんが、シートベルトを確実に着用できる席を選ぶ
- 酔い止めや防寒具:夜行便は冷えるため、ブランケットや上着を持つ
- 貴重品の管理:足元の荷物は、停車中も目を離さない。手荷物は、手元に置く
- 休憩(サービスエリア)での乗り遅れ:発車時刻を確認し、余裕を持って戻る
- 体調に異変を感じたら:すぐに乗務員に伝える
また、天候や渋滞で到着が遅れることは、ありえます。大切な予定の前日は、時間に余裕を持った便を選ぶと、安心です。
まとめ
- 過去の事故では、居眠りや運行管理の問題が指摘された
- その後、労働時間の基準が見直され、制度も一本化された
- 利用者は、事業者・運転手の交代・シートベルトを確認する
- 安さだけで選ばない


情報源
- 国土交通省「貸切バス安全性評価認定制度」「貸切バス選定・利用ガイドライン」(mlit.go.jp)、厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善基準告示」(mhlw.go.jp)
- 関越道バス事故(2012年)、軽井沢スキーバス事故(2016年)の各報道
- 基準・制度は変わることがあります。2026年10月時点で確認した情報に基づきます。


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