最近のF1は、テンションが下がる事が多いですよね。
例えば、ギアボックス、パワーユニットを交換したらグリッド降格ペナルティとなり、それにより予選を走らなかったり、激しいバトルをしたら、ペナルティーになったり、F1レギュレーションにはF1ファンも振り回されてしまいます。
しかし今回は、レギュレーションによるF1黒歴史ではなく、F1関係者がもっとも歴史から葬りたいと言われている、韓国グランプリについて紹介していきたいと思います。
F1ファンでなくても韓国グランプリの逸話はご存知が多いほど、悪い意味でF1の伝説として残されているほどです。
F1韓国グランプリで何が起こったのか!?韓国グランプリにまつわるエピソードを是非、堪能していってください。
開催が100年早すぎた韓国グランプリ
F1グランプリは、今年も来年も年間21戦開催されます。
世界各国を回るF1サーカスでは伝統的なサーキットや、新設された市街地コースなどで開催され、多くのファンを魅了しています。
しかし、走ることが大好きなF1ドライバーでさえ、好きにはなれないコースがあります。
F1チームドライバーは多くの国を渡り歩くので、サーキットのレイアウトだけではなく、その国の「ファン」、「雰囲気」、「待遇」など、多くの面でグランプリを評価しています。
そんな多くの国で開催されているF1グランプリの中でも、既に開催されていない韓国グランプリの評価がひどすぎるのは有名なお話です。
韓国グランプリは、霊岩(ヨンアム)の韓国インターナショナルサーキットで2010年から2013年まで4回開催されました。
個人経営のカートコースより酷い韓国サーキット
初開催となった2010年の決勝は、10月24日に行われましたが、FIAにより正式サーキットが承認されたのは、この10日ほど前だったのです。
塗装も完成したばかり、各種設備は未完成のままだったりと、異例の開催となったのです。
そんなサーキットで行われた決勝の天気は、大雨に見舞われてしまいました。
工事の遅れにより排水処理も不十分で、少しの雨だったのにも関わらず、路面には雨が溜まったままです。
しかも、舗装が終わったばかりのアスファルトからは油が流出し、雨と油が溜まり、なんと9台ものマシンがスピンを起こしてしまいました。
また、縁石もアスファルトにペンキを塗っただけだったため、強度も弱く、各マシーンは苦労しました。
コース上には芝が跳ね上げられてしまい、F1史上初のオフロードコースにもなりました。
コース自体も波打つ始末で、ドライバーはバトル以外の注意を払わなくてはならなかったのです。
そして、コースマーシャルの教育すら不十分で、何色の色のフラッグを振ってい良いかわからず、フラッグの色を間違えるとトラブルも発生しました。
また、エンジントラブルにより出火したマシンへの消化には、通常、二酸化炭素消火器が使われますが、韓国グランプリでは粉末消火器を使ったため、マシーンは使い物にならなくなり、大損害受けたのです。
観客についても、もともとレース文化が根付いていない韓国ということもあり、チケットが殆ど売れず、実質無料チケットを配布するなどして、なんとか16万3千人の観客動員が集まったと発表しています。
しかし、観客席にはカカシが立てられる異様なグランプリになったのです。
サーキット以外でも伝説を残す韓国グランプリ
そして、ドライバー、チーム関係者を悩ませたのが、宿泊施設問題です。
サーキットがあるヨンアムは、仁川国際空港から400キロも離れた田舎町のため、多くのF1関係者が宿泊できる施設はありませんでした。
このため、ほとんどのドライバー、チーム 関係者は、サーキット周辺に昔から建っていたラブホテルへの宿泊を余儀なくされ、世界中にその事実が配信されたのです。
しかも、部屋には蜘蛛が出たりと、とてもレースに集中できる環境ではなかったのです。
各ドライバーの当時のコメントをご紹介します。
ジェイソン・バトン
「会場の雰囲気を盛り上げてくれるファンがいないレースはいつも悲しい。ファン無しにスポーツは成り立たない。」
ルイス・ハミルトン
「ここではサーキットとホテルの2人の受付係以外、多くの人を見なかった。空っぽの観客席から、なんとかやる気を起こさないといけなかった。」
マーク・ウェバー
「F1は品格のあるイベント。維持できないと誰も見に来てくれない。」
韓国脱出が韓国グランプリ本番
また、ドライバーは決勝レース直後、翌週開催の日本に向け「韓国脱出レース」を繰り広げ、これが事実上の韓国グランプリと評しました。
実際に、フェルナンド・アロンソ、セバスチャンなどほとんどのドライバーは、決勝終了後、その日のうちに日本に移動しました。
そんな韓国グランプリは、もともと2016年までの開催契約でしたが、結局2013年を最後に違約金を支払い開催を止めたのです。
違約金については、払われていない可能性があります。
最後に
如何でしたでしょうか。
伝説の韓国グランプリについて紹介してみました。
F1レースの開催国は、やはり少なからずレース文化が根付いている国が望まれます。
その国にF1ドライバーズいる事がもっともいい条件ですよね。
2018年で「神が創ったサーキット」といわれる鈴鹿サーキットの開催が、30周年を迎えました。
2019年の鈴鹿では、HONDAの活躍と、日本人ドライバーの搭乗に期待したいですね。
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