踏切といえば、誰しもが黄色と黒の縞模様を思い浮かべるでしょう。
この色の組み合わせは警戒色といいますが、踏切以外にも多くの場所で見かけるカラーですよね。
今回は、踏切の色が黄色と黒の縞模様の理由や警戒色についてご紹介します。
工事現場でも使われる、この色の組み合わせについて、どのような意味があるか確認してみてはどうでしょうか。
踏切の色はJIS規格で決められている
実は、踏切で使っていい色は、JIS規格で決められており、「赤」「黄」「白」「黒」の4色のみなのです。
しかも、縞模様の色や割合まできっちり定められています。
例えば、踏切の遮断機の色に関する決まりは、次のように定められています。
- 黄色と黒を交互に用いた縞模様
- 縞模様の幅は、黄色が180mm~300mm
- 縞模様の幅は、黒が120mm~200mm
- 黄色の縞幅と黒の縞幅との比率はほぼ3対2
他のも、警報器や周囲の策に至るまで細かく指定されているのです。
踏切が黄色と黒の理由
では、踏切はなぜ、黄色と黒の組み合わせなのでしょうか。
その至ってシンプルな理由で、警戒色と呼ばれるように非常に目立つカラーで、人の注意を引きやすい一番目立つ色だからです。
黄色は「進出色」とされ、手前に浮かび上がっているようなイメージを与えます。
反対に黒は「後退色」とされ、他の色よりも奥まっている感じを与えます。
この正反対の色同士のインパクトは非常に強いため、注意を与えたい場合には黄色だけよりも、黒が黄色を引き立ててくれる縞模様の方が効果的です。
黄色と黒の組み合わせは様々な場所にある
黄色と黒の警戒色は、踏切以外にも工事現場や工場などで、危険区域を示すカラーとして広く使われています。
同じパターンの警戒色は、生物界でも見られます。
有名なのは「ススメバチ」や「アシナガバチ」など毒を持つ生物で、いずれも体が黄色と黒の縞模様です。
人間を含む動物にとって、本能的に危険を感じる色をまとってアピールしているのです。
赤と黄色も危険をイメージできる色
赤と黄色の組み合わせも、警戒色としてよく使われています。
天気予報の「注意報」は黄色で示されますし、より危険度の高い「警報」が赤で表示されます。
サッカーの「イエローカード」は警告ですが、「レッドカード」は退場とランク が上がります。
このように、赤と黄色は警戒レベルの段階を分かりやすくイメージできる色の組み合わせと言えます。
特に赤は血の色のイメージがあるため、危険な状態、あるいは緊急事態だと伝えやすいカラーです。
パトカーや救急車のランプ、非常ボタンや消火器など、その例は数多く存在します。
非常口が緑色の理由
警戒色といえば黄色や赤が常識ですが、非常口が緑色なのはなぜでしょうか。
その答えは、実際の火災現場にあります。
赤い炎に包まれた中では、赤や黄色はかえって目立ちません。
赤色と正反対にある緑色を非常口に採用すれば、火災現場でも目に留まりやすいのです。
また、緑色には心を落ち着かせる効果があるため、火災のような非常事態でもパニックに陥らずに避難誘導できると言われています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
危険が潜んでいそうなところに使われる色は、単に派手な色を選んでいるわけではなく、しっかりとした根拠に基づいた配色を行っているのです。
皆さんも警戒色を見かけたら、その場所にどのような危険があるのか今一度考えてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。
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