車で遠出をするとお世話になるのが高速道路です。
高速道路を利用する際、高速道路の利用料金が高いと思われている方も多いのではないでしょうか。
外国の事例ですが、アメリカやドイツ、トルコなどは、高速道路の利用料金が無料になっている国も多くあります。
有料の事例としては、フランスやイタリア、韓国が高速道路の利用料が有料となっています。
高速道路の利用料が有料となっている国の金額を、日本と比べてみると、なんと日本の金額は他の国の数倍もの料金設定となっているのです。
ではなぜ日本の高速道路の利用料金が、こんなに高額な設定になっているのでしょうか。
今回は、日本の高速道路が海外とくらべても高額になっている理由を紹介します。
償還主義(利用者がお金を払う仕組み)
償還主義とは、高速道路の道路建設費や、管理維持費を利用者が支払う利用料でまかなう仕組みのことです。
これは、利用者が利用料を支払うことで、数十年後には高速道路の建設費用分を返済し「利用料を無料化する」ことを前提にした運用です。
しかし、当初の想定していた運用どおりに事が運ばず、様々な場面で想定外の事が発生し、採算が合わなくなってしまいました。
そして現状では、「無料化」どころか「利用料の値上げ」を行う状況で高速道路は運用されているありさまです。
2005年に道路公団の民営化が行なわれ、当初返済期間が45年間(2050年)までと定められていましたが、2014年に高速道路の老朽化修繕を理由にして、返済期間が60年間(2065年)へ延長見直しされました。
これは、高速道路の利用料金が無料化されるのが2065年だということになります。
世界で一番高額な高速道路の利用料を、今後も利用者が負担し続ける構図を意味しています。
日本の国土(地震大国で山岳地形)
山岳地帯が多い日本の地形を考えると、橋やトンネルの建設が多箇所に必要となってしまいます。
そのため、平地に作る高速道路建設費用よりも、山岳地帯に作る高速道路の建設費用は高額になってしまいます。
また、日本は高速道路用地の土地買収価格が高額であること、さらに地震大国でもある日本は、耐震構造での建築を必要とします。
これらの理由から、高速道路の建設費が高額になり、建設後の維持管理費も高額です。
日本の高速道路は、海外の国と比べて高額なコストが掛かっているのです。
高コストな道路設計(公共工事)
人口が密集して土地代が高い都市部で、高架式高速道路が採用され、高価な費用となることは理解できるかと思います。
しかし、日本の高速道路では、土地に余裕のある地方にも高架式の高速道路を採用している区間が多くあります。
日本の高速道路の高架式建設率は、世界的にみてもとても高い状況となっています。
当然ですが、高架式で高速道路を建設すると、高額な建設費用と維持費が掛かってしまいます。
これらの理由以外にも、必要のない道路の建設や、役人の天下り、談合など高い高速料金という話だけにとどまらず、別の問題もあるという意見もあります。
結局、高速道路の無料化が日本で実現することはあるのでしょうか。
テクノロジーの進歩で道路を使用しなくなるのが先になるかもしれませんね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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