「10万kmを超えたら値段がつかない」と思って、売るのをあきらめていませんか。走行距離は査定の大きな要素ですが、距離だけで価値が決まるわけではありません。この記事では、日本自動車査定協会(日査協)の査定基準で走行距離がどう扱われるかを、公開されている資料で確認し、多走行の車を売るときの進め方を整理します。
愛車の売却先を比べたい方へ:査定サービスの方式の違いと4社の特徴を比較ページにまとめました。
結論:10万km超でも売れる。整備記録が評価の根拠になる
- 走行距離は、年式に対して多いか少ないかで評価され、多ければ減点、少なければ加点になります(日査協の基準)。
- 日査協の基準では、走行距離は原則としてメーターの積算計で評価しますが、定期点検記録簿などから推定走行キロを特定できる場合は、その値で評価する、と書かれています。整備記録を残しておく意味がここにあります。
- 10万kmを超えた車でも、買取業者の解説では、海外需要や部品の価値を見て買い取る業者があるとされます。
- 値がつかないと言われても、廃車として手放す方法があります。

査定で走行距離はどう評価されるか(日査協の基準)
日査協の査定基準(細則)には、走行キロの評価として次のように書かれています。
| 項目 | 基準の内容 |
|---|---|
| 評価の方法 | 走行キロの評価は適用表に基づき、基本価格×加減率で加減点を行う |
| 使う走行キロ | 原則として積算計の走行キロ数 |
| 推定走行キロ | 車検証等に記載の車検時の走行キロ、定期点検記録簿、オイル交換・エレメント交換のラベル等から推定できる場合は、推定走行キロで加減点する |
| 推定の計算 | 推定走行キロ=定期点検時の走行キロ+(1,000km×定期点検後の使用経過月数) |
| 推定走行キロを特定できない場合 | 記録簿などがなく推定もできないときは、商品価値減点(基本価格の30%以内)を減点する |
| メーター交換のシールが貼られた車 | 交換前の走行キロと現車の走行キロを合わせた実走行キロで加減点する |
| メーター改ざんのシールが貼られた車 | 推定走行キロにもとづく減点に加え、商品価値減点(基本価格の10%以内、推定できない場合は30%以内)を減点する |
たとえば、定期点検時に6万kmだった車が、その後8か月たっていれば、推定走行キロは「6万km+1,000km×8か月=6.8万km」と計算されます(上の式にあてはめた筆者の計算例です)。
基準の「適用表」は、クラスと年式ごとに分かれた表で、軽自動車(乗用)は別の欄があります。具体的な加減率は車ごとに変わるため、この記事では数値を示しません。
標準とされる走行距離の目安
買取業者の解説では、標準の走行距離として普通車で年1万km、軽自動車で年8,000kmがよく挙げられます。これは業者の解説による目安で、日査協の適用表の数値ではありません。年式に対して標準より多ければ減点、少なければ加点、という考え方は基準のとおりです。
10万kmは「大台」だが、それだけで決まるわけではない
10万kmは、買い替えを考える人が多い節目とされます。一方で、近年の車は性能が上がり、10万kmを超えても価値が認められる場合が増えている、と複数の解説が述べています。
また、3万・5万・7万・10万kmといった区切りで中古車を探す人が多いため、区切りの手前か超えた後かで提示額が変わりやすい、という解説もあります。
買取・情報サイトの解説では、海外需要が高い車種(ランドクルーザーやハイエースなど)は走行距離の影響を受けにくいとされます。ただし、実際の査定は車ごとに違います。
なぜ10万km超でも売れるのか(買取業者の解説)
- 海外への販路:輸出ルートを持つ業者は、走行距離が多い車でも積極的に買い取る傾向がある、と説明されています。
- 部品の価値:車として売れなくても、部品や金属の価値を見て買い取る業者がある、とされます。
- 買取と下取りの違い:ディーラーの下取りは、過走行の車では断られる場合がある、という説明があります。買取店は販路が広いぶん、評価が分かれやすいといわれます。
いずれも業者側の説明で、公的な統計では確認できていません。複数社の提示額で確かめてください。

走行距離が多い車を高く売る前にやること
1. 整備記録簿・点検記録を探す:上の基準のとおり、点検記録から推定走行キロを特定できれば、その値で評価されます。オイル交換のラベルや、車検時の走行キロの記録も材料になります。
2. メーターを交換した履歴は、正直に伝える:交換前の走行キロと合わせて評価される扱いがあります。伝えずに売ると、あとで問題になりかねません。
3. 洗車と車内の掃除は最低限:においとゴミを片づけるだけで印象が変わります(査定前にやること)。
4. 修復歴や不具合は隠さない:扱いは修復歴ありの車を売るときで整理しています。
5. 複数の売却先で比べる:方式の違いは比較ページを参照してください。
6. 売る時期を確認する:時期の山は3月です(車を売る時期の記事)。
7. 書類をそろえる:必要書類と流れを確認してください。

値がつかないと言われたとき:廃車買取という選択肢
一般の買取店で値がつかなくても、廃車を専門に扱う業者なら、部品や金属の価値で買い取る場合があります。動かない車や事故車も対象になることがあります。廃車の流れと、自動車税・重量税・自賠責の還付金の考え方は廃車買取を比べるページで整理しています。ソコカラは、事故車・廃車の買取にも対応していると公式ページに書かれています(2026年10月9日確認)。
乗り続けるか、売るかの判断
- 売る前に、車検の残り期間と次の整備費用を確かめてください。
- 修理費がかさむ見込みなら、売るほうが負担が小さい場合があります。
- 買い替えるときは、下取りだけで決めずに、買取の査定も取って比べてください。
- 迷う場合は、査定額を見てから判断できます。査定を受けても、売る義務はありません。

よくある質問
Q. 10万kmを超えたら値段がつきませんか?
値がつくかどうかは、年式・状態・車種・売る先で変わります。海外需要や部品の価値を見る業者もあるため、複数社で確かめてください。
Q. 走行距離が少ないほど必ず高いですか?
年式に対して標準より少なければ加点されますが、少なすぎる車には別の注意点があります(走行距離が少なすぎる中古車が危険な理由)。メーターの扱いは、並行輸入車では特に注意が必要です(並行輸入車の低走行の記事)。
Q. メーターを交換した車は、不利になりますか?
日査協の基準では、交換前の走行キロと現車の走行キロを合わせた実走行キロで評価されます。交換の履歴を示す書類があれば、査定のときに見せてください。
まとめ
- 走行距離は、年式に対して多いか少ないかで評価されます。標準の距離は、業者の解説では普通車で年1万km、軽自動車で年8,000kmです。
- 点検記録簿などから推定走行キロを特定できれば、その値で評価されます(日査協の基準)。
- 10万kmで終わりではありません。整備記録を探し、複数社で比べてください。値がつかなければ、廃車買取も選べます。
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出典・確認先
- 一般財団法人日本自動車査定協会(日査協)「中古自動車査定基準 加減点基準(走行キロの評価)」http://www.jaai.or.jp/images/jissiten/sateikijun240327/kagenten.pdf(細則の本文を2026年10月10日に確認。適用表の加減率の数値は、クラス・年式ごとの表のため記事に書いていません)
- 日査協「中古自動車査定基準」http://www.jaai.or.jp/images/jissiten/sateikijun240327/kijun-1.pdf(乗用車・軽乗用のクラス別の欄があることを確認)
- 標準走行距離(普通車年1万km・軽自動車年8,000km)、10万kmの目安、区切りの考え方、海外需要の車種、買取と下取りの違い:買取・情報サイトの解説(おいくら、ネクステージ、リバティ、カーハックなど)。業者・メディア側の説明であり、公的な統計では確認できていません。
- ソコカラ公式ページ(事故車・廃車の買取に対応、2026年10月9日確認)
確認日:2026年10月10日(一部は10月9日)。制度や条件は改定されることがあります。手続きの前に、必ず最新の案内をご確認ください。


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