「車は1〜3月に売るのが得」とよく言われます。この記事では、この説を日本自動車販売協会連合会(自販連)の月別の中古車登録台数で確かめました。結果は、突出しているのは1〜3月ではなく3月だけで、1月は4年連続で最も少ない月でした。軽自動車は税金の面から、3月中に手続きを終えるのが一つの目安になります。
愛車の売却先を比べたい方へ:査定サービスの方式の違いと4社の特徴を比較ページにまとめました。
結論:時期の山は3月。ただし価格が上がる根拠は統計にない
- 登録車の中古車は、毎年3月に登録台数が突出します(2022〜2025年の4年とも月別1位、月平均の約1.4倍)。
- 1月は4年連続で最少です。「1〜3月」とひとくくりにされますが、統計では1月は山ではありません。
- この台数は「中古車がどれだけ動いたか」を示すもので、買取価格そのものではありません。需要が高い月に買取が強まるという説明は業者の解説で、価格の統計では確認できていません。
- 軽自動車は、4月1日現在の所有者に課税されます。3月中に名義変更まで終えるかどうかで、その年度の税金を負担する人が変わります。
- 時期より大きいのは、車検・走行距離の節目・売却先を比べたかどうかです。

実データ:中古車の月別登録台数(2023〜2025年)
自販連が公表している「月別中古車登録台数」です。自販連の月次資料の説明では、新規登録・所有権の移転登録・使用者名の変更登録を合算した数で、登録車(普通車・小型車など)が対象です。軽自動車は含みません。
| 月 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 月平均との比(2022〜2025年の平均) |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 233,192 | 251,004 | 253,121 | 0.82 |
| 2月 | 278,187 | 309,042 | 291,573 | 0.97 |
| 3月 | 427,832 | 421,968 | 409,574 | 1.41 |
| 4月 | 285,500 | 298,788 | 300,460 | 0.98 |
| 5月 | 277,390 | 299,865 | 288,282 | 0.95 |
| 6月 | 309,036 | 293,633 | 306,571 | 1.02 |
| 7月 | 291,805 | 322,324 | 321,227 | 1.02 |
| 8月 | 278,207 | 266,378 | 263,861 | 0.90 |
| 9月 | 296,391 | 291,729 | 309,694 | 0.99 |
| 10月 | 303,850 | 327,939 | 325,711 | 1.04 |
| 11月 | 288,685 | 289,296 | 264,181 | 0.94 |
| 12月 | 291,993 | 289,659 | 297,924 | 0.96 |
| 年合計 | 3,562,068 | 3,661,625 | 3,632,179 | - |
※単位は台。右端の列は、各年の「月の平均台数」に対する各月の比を、2022〜2025年の4年で平均した筆者の計算です(2022年の数値も同じ資料で確認)。
読み取れることは次のとおりです。
1. 3月だけが飛び抜けて多い:4年とも42万台前後で、他の月(23万〜33万台)を大きく上回ります。
2. 1月は4年とも最少:「新生活に向けて1月から需要が高まる」という説明は、この統計では当てはまりません。
3. 2月は平均並み:山に向けた助走というより、通常の月と変わりません。
4. 7月と10月がやや多く、8月と11月がやや少ない:差は1割程度までです。
なお、この統計から原因は分かりません。3月は多くの販売店や買取業者が決算期にあたるため、販売が増えるという説明が業者側にありますが、統計だけでは確かめられません。

よく言われる「売り時」を統計と照らすと
| よく言われる説 | 統計から言えること |
|---|---|
| 1〜3月が売り時(新生活の需要) | 3月は突出。1月は最少、2月は平均並み。 |
| 3月は決算期で買取に積極的 | 3月の登録台数が最多なことと矛盾しない。ただし買取価格が上がる根拠は統計にない。 |
| 9〜10月も半期決算で狙い目 | 9月は平均並み(0.99)、10月はやや多い(1.04)。 |
| 4月と12月は需要が落ち込み、避ける | 4月は平均並み(0.98)、12月はやや少ない程度(0.96)。「落ち込む」とまでは言えない。 |
買取店や情報サイトの多くは、1〜3月と9月を「高く売れる時期」として挙げています。これは買取業者の解説で、時期ごとの買取価格を比べた公的な統計は見つかりませんでした。時期は目安にとどめ、いま売ったらいくらになるかを査定で確かめるのが確実です。

税金から見た時期:軽自動車は3月中に
軽自動車は4月1日をまたぐかどうかが分かれ目
軽自動車税は、毎年4月1日現在の所有者に課税されます。名古屋市の公式サイトは、年度の途中で廃車や譲渡をしても月割での還付はなく、その年度の税額は全額を納める、と説明しています。札幌市の公式サイトにも、軽自動車税には月割課税の制度がないという記載があります。
つまり軽自動車は、3月中に売却・名義変更まで終えるか、4月以降に持ち越すかで、その年度の税金を負担する人が変わります。売却先に、名義変更の時期を確認してください。

普通車は月割の還付があるが、売却では別の扱い
普通車の自動車税は、抹消登録をした場合に、その翌月以降の分が月割で還付されます(愛知県の公式Q&A)。ただし売却して名義変更するだけでは還付されません。売却時の税金の扱いは業者によって違うため、見積もりの内訳を確認してください。詳しくは車を売ると自動車税はどうなるで整理しています。
月以外の売り時:車検・走行距離・モデルチェンジ
買取・情報サイトの解説では、月のほかに次の節目が挙げられています。いずれも業者の解説で、公的な裏付けは確認できていません。
- 車検の前:車検費用をかける前に売ると、その出費を避けられる。
- 走行距離の節目(5万km・10万km)の手前:距離の区切りで検索条件から外れやすくなる。走行距離の見方は走行距離が多い車の記事で整理しています。
- モデルチェンジの前:新型が出ると旧型の相場が下がりやすい。
- 売ると決めたとき:時間がたつほど年式と走行距離が進むため、時期を待つより早く動くほうがよい場合もある。
走行距離は、日本自動車査定協会(日査協)の基準で評価の対象です。待つあいだに距離が進めば、その分が査定に反映されます。
待つか、売るか:判断の進め方
1. まず複数の売却先で査定額を比べる(方式の違いは比較ページ)。
2. 必要書類をそろえる(必要書類と流れ)。査定前の準備は査定前にやることにまとめています。
3. 軽自動車は、3月中の名義変更から逆算して、2月中に査定を受ける。
4. 提示額の有効期限を確認する。相場は動くため、時間をおくと変わることがあります。
5. 買い替えるなら、納車と売却の時期を合わせる(新車値引きとの切り分けは新車ディーラーの値引き交渉の記事も参考になります)。
よくある質問
Q. 3月に売れば高く売れますか?
3月は中古車の登録台数が最も多い月ですが、買取価格が高くなる保証はありません。車の状態や相場で変わるため、査定額を確かめてください。
Q. 4月は安いのですか?
登録台数では、4月は平均並みです。「4月は落ち込む」という説明は、この統計では確認できませんでした。軽自動車は4月1日をまたぐと、その年度の税金の扱いが変わる点に注意してください。
Q. 軽自動車は何月がよいですか?
税金の面では、3月中に名義変更まで終えるのが一つの目安です。軽自動車の中古車の月別統計は今回確認できていません。
まとめ
- 中古車(登録車)の登録台数は3月が突出し、1月は最少です。「1〜3月」とひとくくりにはできません。
- 買取価格が時期でどれだけ変わるかは、公的な統計では確認できていません。
- 軽自動車は4月1日現在の所有者に課税され、年度途中の還付がありません。3月中に手続きを終えるのが目安です。
- 時期は目安として、まず複数社で査定額を比べてください。
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出典・確認先
- 自販連(日本自動車販売協会連合会)月報 2026年1月号 中古車編「月別中古車登録台数」(2022〜2025年を掲載) https://www.jada.or.jp/files/libs/6754/20260302154728318.pdf(月別の台数は資料の表から転記。比の列は筆者の計算。登録車が対象で軽自動車は含まない。「登録台数=新規登録+所有権移転登録+使用者名変更登録」の説明は、自販連の月次資料の記載を検索結果の要約で確認)
- 名古屋市「軽自動車税のQ&A:軽自動車税の課税」https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000075086.html(4月1日現在の所有者に課税、年度途中の廃車・譲渡でも還付なし)
- 札幌市「軽自動車税」https://www.city.sapporo.jp/citytax/syurui/keijidousya.html(月割課税の制度がない、との記載。検索結果の要約で確認)
- 愛知県「自動車税Q&A」https://www.pref.aichi.jp/soshiki/zeimu/0000037565.html(抹消登録の翌月以降分が月割で還付)
- 一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準(走行キロの評価)http://www.jaai.or.jp/images/jissiten/sateikijun240327/kagenten.pdf
- 1〜3月・9月・決算期・車検前・モデルチェンジ前などの説明:買取・情報サイトの解説(ナビクル、カーセブン、バディカ、ネクステージなど)。業者側の説明であり、時期ごとの買取価格を比べた公的な統計は確認できていません。
確認日:2026年10月10日(一部は10月9日)。制度や条件は改定されることがあります。手続きの前に、必ず最新の案内をご確認ください。


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