「高速道路を逆走する」。ニュースで見るたびに、「どうしてそんなことが起こるのか」と思う人は多いはずです。
国土交通省の集計では、2024年の高速道路での逆走は220件。そのうち約7割が65歳以上でした。この記事では、なぜ逆走が起きるのか、どこで起きやすいか、運転者として・逆走車に遭遇したときにどう行動すればよいかを整理します。
数字で見る高速道路の逆走
報じられている国土交通省の集計では、2024年の逆走発生は220件(前年比4件減)で、そのうち50件が事故に発展、4件が死亡事故でした。

運転者の年齢別(2024年):
- 75歳以上:109件
- 65〜74歳:41件
- 合計150件で、全体の約7割が65歳以上
2015年からの推移は、259、249、207、200、200、148、188、204、224、220件。ほぼ毎年200件前後で推移しており、減ったり増えたりを繰り返しています。
逆走の事故は、高速道路全体の事故と比べて重大事故になりやすいことが知られています。国土交通省の資料では、逆走事故は、高速道路全体と比べて重大事故の割合が約4倍、死亡事故は約36倍とされています(年や集計方法で異なります)。
なぜ逆走は起きるのか
逆走の原因は、大きく次のように分けられます。
1. 進行方向を勘違いする(わかりにくい構造)
インターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)で、出口と入口を間違える、Uターンしてしまう、本線に合流する方向を誤るなどです。特に、サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)から本線に戻るときに、逆方向に出てしまう例があります。
2. 「認知機能の低下」による場合
高齢の運転者の場合、道に迷っていることに気づかない、自分が逆走していることに気づかないケースがあります。2023年の逆走224件では、65歳以上が約7割を占め、要因別では認知症が約3割だったと報じられています(2015〜2022年より増加傾向)。一方で、若い運転者でも、飲酒や居眠り、不注意で逆走することがあります。
3. 「わざと逆走する」ケース
Uターンや、出口を過ぎたあとの戻りなど、意図的な違反による逆走もあります。
どこで起きやすいか
逆走は、次の場所で起きやすいとされています。NEXCO東日本によると、逆走の約半数はICやJCTで発生しています。事故に限ると、夜間に多いとされ、標識や路面表示の確認不足が一因です。

- ICの出入口、ランプウェイ(本線への連絡路)
- JCT
- SA・PAの出口付近
- 料金所付近
国土交通省は、2025年6月、全国189か所を「さらなる対策が必要な重点対策箇所」に指定しました。次のような対策が進められています。
- ラバーポール(逆走を物理的に抑止)
- 大型の矢印路面標示(進行方向を示す)
- ウェッジハンプ(逆走すると衝撃が来る装置):全国9か所にとどまる
- 逆走検知システム(本州四国連絡高速道路で2023年7月から試験運用)
逆走しないための運転者の習慣
- 出発前に、利用するICの出入口の形を地図で確認する
- ナビの案内に従い、案内標識を最後まで確認する
- SA・PAを出るときは、「本線の進行方向」を声に出して確認する
- 不安なときは、無理に高速道路に入らず、一般道で確認する
- 疲れたら、SA・PAで休む(居眠りや注意力低下を避ける)
- できるだけ左側の車線を走る。追い越し車線を走ったときは、追い越し後に速やかに走行車線へ戻る(報道で紹介されている心がけです)
- 出口を通り過ぎても、慌ててUターンしない。次の出口まで進む
特に、高齢の運転者や、家族が不安を感じている場合は、高速道路の利用を減らす、同乗者がいるときだけ使うといった工夫も有効です。
逆走に気づいたとき・逆走車に遭遇したとき
自分が逆走していると気づいたら
一般に推奨されている対応は、次のとおりです(状況に応じて判断が必要です)。
1. 慌てずにハザードランプを点灯する
2. 可能な限り安全に、路肩などの安全な場所に停止する
3. 車内にとどまらず、安全な場所(ガードレールの外など)に避難して、110番通報する
4. 自分で車をバックさせたり、Uターンしたりしない(非常に危険)
逆走車を見たら
1. 前の車との車間距離を十分に取り、速度を落とす
2. 同乗者がいれば110番、または安全な場所に停車してから警察・道路管理会社へ通報する(SA・PAの非常電話、料金所の係員への連絡も有効)
3. 急ハンドルや急ブレーキで無理に避けようとしない(後続車との二次事故の恐れがあるため)
家族ができること
逆走は、運転者本人が気づいていないことが多いため、家族の気づきが重要です。
- 運転中に道に迷うことが増えていないか
- 高速道路の出入口で戸惑うことがないか
- ナビの指示と違う行動をとらないか
こうした兆候があれば、運転について話し合うことを検討してください。サポートカー限定免許や、運転する場面を絞ることも選択肢です。
よくある質問
Q. 逆走は高齢者だけの問題ですか?
いいえ。約7割が65歳以上ですが、残りの約3割は65歳未満です。年齢にかかわらず、誰にでも起こり得ます。
Q. 逆走車を見たとき、クラクションを鳴らしてもよいですか?
一般には、クラクションよりも、速度を落として安全を確保し、通報することが優先されます。
Q. 逆走すると、どんな罰則がありますか?
報道(2025年5月)によると、逆走のみの場合は通行区分違反にあたり、違反点数2点、反則金9,000円(普通車)とされています。事故につながった場合は、過失運転致死傷罪(7年以下の懲役または罰金)などの刑事責任が問われます。金額や扱いは変わることがあるため、最新は警察の案内でご確認ください。
まとめ
- 2024年の高速道路の逆走は220件、約7割が65歳以上
- ICやJCT、SA・PAの出口など、進行方向がわかりにくい場所で起きやすい
- 国土交通省は189か所を重点対策箇所に指定し、ラバーポールや矢印路面標示、検知システムなどを進めている
- 逆走に気づいたら、ハザード→路肩に停止→避難して110番。自分でバックやUターンをしない
情報源
- 国土交通省 高速道路の逆走対策に関する資料(mlit.go.jp/road/ir/ir-council/reverse_run/)
- 2024年の件数と年齢別内訳を引用した報道:car-me.jp/articles/11042
- 集計方法は資料によって異なります。引用の際は出典の定義をご確認ください。


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